幼い頃から両親の虐待を受け、学校では苛められ……
主人公、新海進(しんかいすすむ) はいつしか人を信じる心を失っていた。
将来の夢もなく、趣味も持たず、ただ無気力に毎日を過ごす日々――
そんな彼の唯一の拠り所は、同じ心の傷を持つ妹の果夏(かな) だった。
二人の生活はけして楽なものではなかったが、互いを支えあいながら慎ましく生きていた。
そんなある日……
果夏は身体の変調を訴え、入院することとなる。
初めての事を多く経験し、不安になる二人。
しかし、幸いなことに果夏の身体は少しずつ回復へと向かっていった。
そんな中で、進はある悩みを抱えていた。
退院し学校に復帰することになれば、果夏はまた苛められるかもしれない……。
果夏の中学進学に合わせ、なんとか辛い環境を変えてあげたいと考える進。
だが、自分自身人に心を開くことが出来ない中、どうすれば果夏を救うことが出来るのだろう。
そして、そんな進に運命を変える出会いが訪れる。
高校二年生に進学した日、進の席にやってくる一人の少女――
進と果夏、二人だけで寄り添って生きてきた閉ざされた世界。
そこに、一筋の光がさそうとしていた。
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